神戸で活動するアカペラグループザビエルズは新しいメンバーを募集しています。
ザビエルズはプロのアカペラグループであり、趣味のサークルや副業ではなく、主にアカペラを演奏し、その対価として報酬をいただくことを生業としています。
もし興味がある人が募集に目を留めてくれたとしても、一言に「アカペラでプロになる」ことのイメージはつかないと思い、自分の体験が何かの参考になれば、と書き始めました。
ちょっと長くなるかもしれません。
私は約10年前、アカペラでプロになるため愛知から神戸へ来ました。
新卒で就職した仕事をになじむことが出来ず、「どうせ辞めるなら、好きなことを仕事にしよう」と転職を考えました。学生時代から趣味で聴いたり歌ったりしていたアカペラも選択肢の中にありました。(大学にアカペラサークルはなくアメフト部でバリバリ体育会系でした。並行して社会人アカペラグループに1年ほど所属。)神戸にアカペラ専門のプロダクション(ネスト)があることは就職活動時に知っていましたが、その時はまさか音楽を仕事にできるとは思わず、世間体もあって現実的には考えられませんでした。
「普通の就職」に挫折したとき、「辞めて、学歴や世間体も関係なくなるなら好きなことを仕事にしたい。バイトしながらサークルに入る感覚でやってみて、何年かやってダメなら実家に帰ろう。30前後ならまだやり直しもきくだろう」そんな気持ちから、アカペラのプロという選択も少し現実的になってきました。親にも気持ちを伝え、応援すると言ってくれました(内心は複雑だったようですが…)
プロダクションのホームページには新人を随時募集していると書かれており、そこからメールを送ったところから見学や面談に進んで行きました。
当時、新しく男性グループを作ろうとしており、他にメンバーの候補が2人いて、メンバーが集まり次第グループをスタートするという話でした。正直、直ぐにグループが出来るとは思っていなかったので、それは幸運だと感じました。
不安もありましたが、実際にプロダクションの方と話をして、アカペラで「食える」可能性がゼロではないと感じたことと、単純にアカペラに没頭できることが楽しみな気持ちが勝って、神戸へ行くことに決めました。
ところが、その矢先にメンバー候補だった他2人が辞退することになり神戸に来た頃はメンバーは自分1人という状況でした。ただその時点でも何人かメンバー候補がいて、半年くらいの間で段々と揃っていき、そのメンバーで育成グループを経て初期のザビエルズとなっていきます。東日本大震災の直後、2011年3月16日にザビエルズとして初ライブをし、グループがスタートしました。
結果、神戸へ来て1年くらいでグループが始まっこと、これも幸運なことだったと今では思います。
そして今、ザビエルズは初ライブをしてから10年が経とうとしています。その間、年間200近い本番に立ち、ステージを磨き、少しずつお客さんにライブに足を運んでもらえるようになり、1000人に近い規模のライブを目標に掲げることも現実的になってました。
しかしまたこの間、メンバーチェンジも何度もありました。神戸に来る前の面談で「同じメンバーで5年、続けられたら成功できる」というような話をされて、その時はピンと来なかったですが、それが簡単なことではないと身を持って感じた10年でもありました。ただ、同世代のアカペラグループも何組か解散などしてしまった中、メンバーが変わってもグループが存続してきた、その事は奇跡的なことかもしれません。
決して順風満帆ではなく、今もまだまだ発展途上なグループだと思っていますが、ここまで出来ていることは幸せなことだと思っています。
ふとしたきっかけでアカペラのプロを志した私が今、そんな奇跡的な(?)グループのリーダーをしています。書いた通り私自身「ダメもと」で決断しこの道に進みましたが、「好きなアカペラを仕事にしたい」という気持ちは本物でした。何かを決断する時、気持ちの大きさではなく、その気持ちが本物かどうかが大事なのかもしれません。思いつきでも、自信が無くても、その気持ちに嘘がなければその決断は間違ってないはずです。
長くなりましたが、自分のように興味あるけど自信が…とか、現実的に…とか躊躇している人が読んでくれたらいいなと思います。
もちろん自信満々という方も歓迎ですし、これを読んで興味を持っていただいた方でも、更に話を聞きたい場合は気軽にお問い合わせをください。
アカペラグループ
ザ・ザビエルズ
リーダー Gotti